【LinuC/LPIC対策】aliasコマンドとオプションの由来【Linux】

LinuC/LPIC対策

はじめに

Linuxのコマンドラインで作業をする際、長くて複雑なコマンドを頻繁に入力するのは面倒です。また、誤ってファイルを削除するリスクを減らすために、既存のコマンドに安全機能を追加したいと考えることもあるでしょう。これらのニーズを解決するのが、**alias**コマンドです。

aliasコマンドは、既存のコマンドや一連のコマンドに**別名(エイリアス)**を付けることができる、非常に便利な機能です。これにより、作業効率が向上し、コマンドライン操作の安全性を高めることができます。

LPICレベル1の試験では、aliasの定義方法や、エイリアスと実行ファイルの優先順位の理解が問われます。この記事では、aliasコマンドの基本的な使い方から、コマンド名の由来、そしてLPIC対策として押さえるべきポイントまでを詳しく解説していきます。

aliasコマンドの基本

まずは、aliasコマンドの基本的な使い方と、よく使うオプションから見ていきましょう。

aliasコマンドの書式

alias [名前='コマンド']
  • ポイント:
    • 引数を付けずにaliasと入力すると、現在定義されている全てのエイリアスが一覧表示されます。
    • エイリアスを定義する際は、コマンド全体を引用符(’ ‘ または ” “)で囲むのが一般的です。

主要オプション一覧

オプション意味補足
なし現在定義されている全てのエイリアスを表示する
-pエイリアスをalias 名前='コマンド'の形式で表示するprint

コマンド名の由来:なぜ「alias」なのか?

aliasコマンドの「alias」は、英語で “別名”“通称” を意味します。

このコマンドの目的は、コマンドラインにおける既存のコマンドや処理に対して、ユーザーが使いやすい**別名(alias)**を割り当てることにあります。これにより、複雑な処理も短く覚えやすい名前で実行できるようになり、生産性が向上します。

このコマンドもシェルに組み込まれた機能(builtin)の一つであり、その役割を直接的に表現した名前が付けられています。

各オプションの詳細と実践例

ここからは、aliasコマンドを使ったエイリアスの定義と、その活用例について詳しく掘り下げていきます。

1. エイリアスの定義と確認

エイリアスを定義するには、aliasの後に名前='コマンド'の形式で記述します。

実践例:

定義: ls -lを短縮するためのエイリアスllを定義します。

alias ll='ls -l'

確認:

alias ll 

llと入力するだけでls -lが実行されるようになります。

2. 安全性の向上

aliasは、危険なコマンドに安全なオプションをデフォルトで付与する目的でよく使用されます。多くのLinuxディストリビューションでは、初期設定で以下のようなエイリアスが定義されています。

実践例:

安全な削除コマンドの定義:

alias rm='rm -i' 

これにより、rmを実行するたびに削除の確認(-iオプション)が入るようになり、誤操作を防げます。

3. 複数のコマンドの定義

エイリアスには、セミコロン(;)で区切ることで複数のコマンドを含めることができます。

実践例: 頻繁に使うディレクトリに移動し、すぐに中身を表示するエイリアスを定義します。

alias work='cd ~/Documents/work_dir; ls -F'

4. -p (print) オプション:定義形式での表示

意味: 現在定義されている全てのエイリアスを、再定義に利用できるalias 名前='コマンド'という形式で出力します。

実践例:

alias -p 

オプションの由来:「-pオプションのpは、print(表示する)の頭文字から来ています。特に、.bashrcファイルなどに書き出すために、コマンド形式で一覧を表示したい場合に便利です。」

LPIC対策としてのポイント

LPICの試験では、エイリアスの優先順位が非常に重要です。

シェルがコマンドを実行する際、以下の順序で探します。

  1. エイリアス (alias)
  2. シェル関数 (function)
  3. 組み込みコマンド (builtin)
  4. 実行ファイル ($PATH上のfile)

つまり、エイリアスが最も高い優先順位を持ちます。エイリアスは、外部コマンドより優先される組み込みコマンドでさえも上書きすることができます。

  • エイリアスを一時的に無効にする方法:エイリアスを無視して元のコマンドを実行したい場合は、コマンド名の前にバックスラッシュ(\)を付けます。
    例) \rm file.txt → # rm -iが設定されていても、確認なしで削除される
  • エイリアスの削除:エイリアスを削除するには、**unalias**コマンドを使用します(次の記事で解説予定)。

まとめ

今回は、コマンドに別名を設定するaliasコマンドについて、その基本的な使い方からコマンド名の由来、そして主要オプションまでを詳しく解説しました。aliasコマンドを使いこなすことで、作業の効率化と安全性の向上が図れます。

LPICレベル1の試験対策としては、エイリアスの定義方法、そしてコマンド探索における最も高い優先順位を持つことをしっかりと理解しておきましょう。

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